ビリーブ 未来への大逆転


ビリーブ 未来への大逆転
(アメリカ/2018年/監督:ミミ・レダー/120分)
 
先日、アメリカに住む私の友達が
アメリカ合衆国最高裁判事であるルース・ベイダー・ギンズバーグに
ついて教えてくれました。
 
いつも素晴らしい人や事柄を共有し合っている友人のひとりで
このことがキッカケで、
ルース・ギンズバーグについてとても知りたくなりました。
 
タイミング良く、彼女の映画が今年2本公開されるということで
早速観に行ったのがこの作品。
 
 
本作はルース・ギンズバーグの伝記映画で
史上初の男女平等裁判に挑んだ実話をもとに描かれています。
 
現在86歳でありながら
アメリカ合衆国最高裁判所で現役判事を務めており
現9名いる内の3名が女性判事でそのひとり。
(最高裁裁判官は終身制となっており、
本人が死去するか引退しない限りは現役とのこと)
 
弁護士を目指し入学したハーバード大学在学中に夫となるマーティンに出会い、
結婚、娘を出産し復学した後に子育てをしながら勉強に励み、
若くしてマーティンが精巣がんになってしまった時には、
自分の授業を受けながら治療中の夫に代わって授業を代理で出席し、
病床にある夫を支えながら、子育てまでこなしていたのには本当に驚きました。
 
奇跡的にマーティンが回復し
彼がニューヨークの弁護士事務所へと就職が決まった時には
コロンビア大学に移籍し、
ハーバード大学、コロンビア大学ともに優秀な成績を収めていたというのだから
本当にすごい人です。
 
ここまで優秀だったルース・ギンズバーグだったのに、
卒業後は女性ということが理由で
なかなか弁護士として雇ってもらうことが出来ず
仕方なしにロースクールの教師として
働くしかなった当時の女性雇用の厳しさを感じました。
 
自分の実力が正当に評価を受けることが出来ず、
実力を発揮することさえも許さない環境に
打ちひしがれているところが
現在では想像もつかないくらいの悔しさがあったと思います。
 
しかし、そんな厳しい社会とは対照的に
夫のマーティンの献身的なサポートが本当に素晴らしい・・
女は家で旦那や家族の世話をするのが当たり前だ、と言われていた時代に
彼女の努力と才能を認め、
常にサポートし続けていたところに大きな愛情を感じました。
 
映画のみどころである
ルース・ギンズバーグが初めて性差別を争点とした裁判で
男性裁判官に認めさせるところが本当に凄すぎるんです・・
司法の見解を覆すまでの大変な苦労、
自分の信念を貫ぬき努力を怠らなかったことと
夫マーティンや家族のサポートも大きな力となったことが感動的でした。
 
改めてこの映画が全て実話であり
ルース・ギンズバーグはまだ現役で
活躍していることに本当に驚かされます。
 
来月に公開を控えている
もうひとつのルース・ギンズバーグの映画「RBG 最強の85才」は
ルース・ギンズバーグ自身のドキュメンタリーとあって
今から観に行くのがとても楽しみです。
 
オフィシャルサイト