希望のかなた


希望のかなた
(フィンランド/2017年/監督:アキ・カウリスマキ/98分)
 
昨日、アキ・カウリスマキ監督最新作「希望のかなた」を
ユーロスペースさんにて観てきました。
 
カウリスマキ監督は友人からの勧めで
過去何作品か観たことがあって
「過去のない男」「ル・アーヴルの靴みがき」
あたりは見たことがありました。
 
本当、自分の駄目なところだと思うのですが
作品的にビジュアルや内容の強いものに惹かれる傾向があって
カウリスマキ監督のような
人間の本質に迫るような素朴で愛に溢れた作品の良さを読み取ることが
若干苦手というか、
上手く作品に入っていけないところがあって・・
私はそういう時に
カウリスマキ監督の作品を率直に良いと思えない自分自身を
責めるような・・気持ちになったりします。
 
それは、
日常の中での社会的弱者に対する寛容さと愛情だったり
普段自分が直面することが少ないからなのかも知れない、と
決めつけているのかも知れないです。
 
しかしながら、確実に世の中で起きている問題に
向き合ってきていない証なんだろうな・・とか色々と考えさせられます。
 
本作「希望のかなた」は
今までにないくらいに
率直に気持ちが暖かくなることが出来ました。
 
カウリスマキ監督の映画としての手法は
何も変わってきていないはずなのに
自分自身が少し
こう言った問題に向き合う気持ちを持てているのかもしれないな、と
感じたりもしました。
あとは情報が発達し、問題の大小は関係なく
世間の繊細な部分に光が当たり、
私のような ある一方で無関係だ、と生きている人間にも
この声が届き始めている証なのかもしれないな、と思いました。
 
 
そして、すぐにこの映画のことを調べて
「希望のかなた」のオフィシャルサイトにあった
カウリスマキ監督のメッセージがとても良いです。
 
作品のタイトルに込められた思いが具体的に記されています。
 
今、ヨーロッパで移民が大きな問題となっていますが、
この映画を見ることによって
移民の一人一人の可能性を明るい方面で見ることの大切さと
それだけではないヨーロッパに根付く影の風潮も描かれています。
 
淡々と美しく日常を映しながら、
問題から目を背けずストレートに伝えてくれる映画。
 
私としてはユーモアを交えたシーンも多く
移民の深刻な問題と合わせて
シリアスになりすぎず
庶民の強さと抱き合わせた
監督自らの映画のメッセージを伝える寛容もあったように思います。
(この描き方があったからこそ、私のような者にも
ストーリーが理解出来たんだと思います。。)
 
ともかく、全てに対する愛情深い作品でした。
 
もう一度、立ち返ってカウリスマキ監督作品も見ていこうと思いました。
 
 
オフィシャルサイト