All clothes are Mara Jakubowski

◾︎MODEL : Yuko Nagata
◾︎PHOTOGRAPHER : Yoruko Banzai
◾︎Stylist : Yumi Nagao
◾︎Hair&Make-up : Rie Shiraishi

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ポーランドに生まれ、ドイツで育った Marta Jakubowski (マルタ ジャクボウスキー)。2014年に名門ロイヤル・カレッジ・オブ・アートのMAコースを卒業した後、Hussein Chalayan (フセイン・チャラヤン)、Alexander Wang (アレキサンダー・ワン)、Jonathan Saunders (ジョナサン・サンダース)、Bruno Pieters (ブルーノ・ピータース) をはじめ名だたるメゾンで経験を積んだ。2015年に自身のブランドを立ち上げ、デビューから女性性を追い求め、どのコレクションでも彼女の個人的な感情を表現してきた Marta。British Fashion Council (英国ファッション協議会) による気鋭デザイナー支援プログラム「NEWGEN」にも選出されるなど、次世代のロンドンのスターデザイナーとして注目を集めている Marta に、コレクションのインスピレーションから仕事の話までいろいろと聞いてみた。

—2017年秋冬コレクションにてあなたのブランドとして発表するのは5度目ですね。これまで幾つかのテーマを掲げながら一貫性のあるコレクションを発表してきた一方で、コレクションを重ねる毎に色に溢れているように思います。秋冬コレクションのテーマを聞かせてください。

人間として、デザイナーとして成熟すること、それによって作品を前進させることはとても重要なことと捉えています。常に自分を高めていけば、人生は変化に富んだものになるでしょう。2017年秋冬コレクションは、「少女から女性への変容」をテーマとしています。

—あなたのデザイン美学の中で様々なキーワードが浮かびますが、特に強く感じるのが「感情的」であること「時間を超越している」ことだと思います。「感情的」と思ったのは「生と死」という相反する究極のテーマの中での揺れ動き、そしてそれはどの時代も超越するテーマのようにも思うからです。あなたがデザインするにあたって特に大切にしていることを教えてください。

コレクションを作る際は、いつもごく個人的なところから始めます。明確なストーリーがない場合もありますが、女性性や感情をテーマにすることが多いですね。私の服を見たり着たりした人に何かを感じ取ってもらえるような、そして私自身もそうあれるような服を作りたいと考えています。

—あなたの人生の大きなテーマとして「死」というものがあると思います。いくつかのインタビューであなたが語った母の死から、あなたと同じ世代の若者よりも強く死を意識していると思います。究極のテーマである「死」を身近に感じてきたからこそあなたが考えることを教えてください。

母の死を経験しなかったら今の自分はなかったのではと考えることがあります。喪失の経験こそが私に夢を追うことの大切さに気付かせてくれ、勇気を与えてくれたものでもあるからです。ただ同時に、ファッションについては私が唯一安息を見出すものであり、また、これからも私の人生において揺るぎないものであり続けるという予感があります。

—あなたの過去のインタビューから好きなアーティストとして Marina Abramovic (マリーナ・アブラモヴィッチ) や Francesca Woodman (フランチェスカ・ウッドマン) を挙げていますね。彼女たちの作品とあなたの作品にはどこか通ずるところがあるように思いました。彼女たちの作品の好きなところを教えてください。

いずれの作品も個人的でありながら抽象的で、私にとってはいつだって興味を掻き立てられ、また、理解しやすい対象でした。彼女たちの作品には強く私の心に響くものがあります。

—ロンドンでは夢を叶えるための同じ志を持ったクリエイターがたくさんいますね。若手デザイナーにとってチャンスの多い半面、生活をしていくためのコストの高さもあると思います。特に大変なことと、それでもロンドンで活動する利点を教えてください。

ロンドンはとても物価が高く、それゆえにお金との付き合い方を教えてくれる場所でもあります。私はよくロンドンのことを「ダーウィンの街」と呼ぶのですが、適者生存を目の当たりにしているからこそより懸命に働き、研鑽に励むのだと思うのです。でもそれはロンドンが生きづらい場所という意味ではありません。ここでは孤独を感じないし、私はロンドンを自分の新しい安住の地と考えています。

—あなたの過去のインタビューの中でとても好きな言葉がありました。 「実際は失敗というのはひとつしかない、それは挑戦しないこと」これはまさにそうだと思いましたし、あなたの強さがあらわれた良いコメントだと思いました。これまでよりも活動の幅が広がってきている今、夢を叶えるために努力する若い世代のクリエイターたちへ伝えたいことはありますか?

自分が正しいと思ったことをするべきです。最初のうちは上手くいかないこともあるかもしれませんが、目的を達成することそのものよりも、時にその過程の方がずっと面白いものです。

—若い頃からあなたはファッションに興味を持ち、着飾ることへ喜びを持っていたと思います。今の若い世代の人たちのファッションへの熱意についてどう思いますか?

私たちの世代とは大きく変わったと思います。ソーシャルメディアの登場以前、私たちのファッションアイコンやインスピレーションはもっと別のところにありました。何事にも時流に即した在り方があるのだとは思いますが。

—資生堂のキャンペーンであなたが衣装を手がけたプロジェクトがありましたね。今後、表現のフィールドをコレクション形式での発表以外に広げることに興味はありますか?その場合、例えばどのようなかたちでの表現を考えていますか?

ダンサーとしての実力も人柄も兼ね備えた AyaBambi (アヤバンビ) の2人のために衣装を誂えるのは素晴らしい経験でした。これからもミュージシャンやアーティストと何らかのかたちで関わっていきたいと考えています。

—日本について感じることを教えてください。古来の文化や現代の若者カルチャーまで、どんな印象をお持ちですか?

日本の文化、美学、そして和食が大好きです:) 新しいコレクションには日本語の名前もあるんですよ。いつか日本を訪れる機会があるのを楽しみにしています。

Translator: Mai Matsuoka
by Yumi Nagao

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【Styling & Interview】THE FASHION POST / Marta Jakubowski Fall/Winter 2017